愛なき道

オリジナル小説「二人の戦女神」と「リリカルなのはシリーズ」の二次創作を中心に活動中

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リリカルなのは 短編「SNOW」  

皆さんご無沙汰しておりました。一週間ぶりのKATSUです
はじめに、もうじきクリスマスですね。その後はすぐ年末ですねぇ……
「今年も早かった」というのと「小説の方は何かできたのか?」と思う今日この頃です

さて、今回は短編を一つ書き上げました
数日後にクリスマス・年末商戦ということで、今月の小説更新はこれが最後になると思います
オリキャラ一切皆無の「なのフェイ」系の小説となっております
百合というよりは女の子の友情を題材にしたような小説です

もし読んでいただければ幸いです
では追記よりどうぞ↓


「SNOW」




 十二月は師匠も走るほど忙しいから師走とは誰が最初に言ったのだろうか。そんな師走の十二月に入ったばかりだというのに、海鳴市では朝から雪が舞っていた。
 ただ、地面の温度が高いからだろう。雪は地面に積もる前に溶け、溶けた雪で水溜りが道のあちらこちらに出来ていた。
 時刻は既に夜の八時を回っており、塾帰りの学生達がチラホラとコンビニやファストフード店に入って行く姿が見える。
 そんな中、黒を基調とした服に身を包んだフェイト・T・ハラオウンは憂鬱な気分でその雪が舞う街の風景を見ながら歩いていた。
 今日のフェイトは朝から管理局の仕事が入っており、海鳴市に帰ってきたのがつい数十分前。しかしながら、フェイトを除いた家族は管理局で仕事で家を空けていた。
 局から帰宅し、まず夕食を作ろうと冷蔵庫を開けたフェイトは厳しい現実に直面し、冷蔵庫の扉を開けたまま数分間固まってしまった。例えるならどこぞの美術品の石像のように。
 それもそのはず、冷蔵庫の中は“文字通りカラッポ”だったからだ。そのカラッポの冷蔵庫開けて、色々思い返すこともできないまま現実に戻ってきたフェイトは、頭を抱えたくなる衝動を抑えて、家から歩いて十数分の場所にあるスーパーへ向かうことを決意した。目的は食材の確保――

「……寒い」

 左右に結んだ金色の長い髪を靡かせて歩くフェイト。首には昨年友人――高町なのは――からクリスマスプレゼントで貰ったお手製のマフラーを巻いて歩いていた。海鳴市に住んでから数度目の冬になるが、やはり何回経験しても寒さには慣れないフェイト。
 溜め息を一つ吐いて、マフラーで口も隠す。まだ寒さは本格的ではないのは十分に理解しているフェイトではあったが、やはり寒いのにはかわりないということであろう。
 ふと、足を止めて空を見上げる。暗い空から白い雪が舞い降りてきている光景。本当に綺麗であった。

「もう十二月か……」

 空を見上げたまま呟くフェイト。その表情は寂しさが含まれていた。小さく息を吐いてからフェイトは目的のスーパーへと急いだ。


 この季節。スーパーの内装はクリスマス一色で、目につく所にはサンタやミニサイズのクリスマスツリーなどが飾られていた。店内のBGMもクリスマスソングという徹底ぶりだった。
 まだ十二月に入ったばかりだというのに、気が早い店だなとフェイトは思いつつナポリタンに必要な食材を買い物かごに手早く入れていく。

「あれ?フェイトちゃん?」

「え?」

 突然背後から声をかけられたフェイトは、驚きのあまり勢い良くと後ろを振り返った。

「フェイトちゃん驚きすぎだよぉ」

 そこにはフェイトの慌てように「にゃはは」と笑顔を見せる、フェイトと同じように買い物かごを持った高町なのはがいた。

「な、なのは!?どうしたのこんな所で」

 なのはがいることに驚くフェイト。それもそのはず、フェイトが記憶している限りだと、確か今日は局の方で教導官として仕事が入っているため、なのはは本当なら海鳴市にはいないはず――
 しかし、眼の前にはなのはの姿がある。どういう事だろうとわたわたと混乱しているフェイトの様子を見てなのはは首を傾げて

「フェイトちゃん、何か勘違いしているみたいだけど……どうしたの?」

「あ……え、とね……」

 しどろもどろになのはに説明するフェイトの姿。その姿をどこぞのチビたぬきが見たら「落ち着きいや」と右肩に手を起きそうな感じではあるのだが、なのははニコニコと見守りながら説明を聞いていた。

「――って思ってたんだけど……」

 なんとか説明を終えたフェイト。その説明を聞いたなのはは苦笑いを浮かべた。それもそうだろう。自分が教導で海鳴市にいないのは明後日であり、今日と明日はOFFのシフトになっているからだ。相変わらずのフェイトの勘違いに頬が自然と緩むなのは。

「フェイトちゃん……早とちりというか勘違いしすぎだよ」

「あうぅ……」

 恥ずかしそうに買い物かごで顔を隠すフェイト。その姿が愛しく見えついつい抱きしめたくなる衝動に駆られたなのはであったが、今いる場所が公共の場ということで自重し、ふと疑問に思ったことをフェイトにぶつけた。

「そういえば、フェイトちゃんはどうしてこんな時間に買い物を?」

 そういう自分も買い物をしに来ているわけであるが、高町家は喫茶店を経営しているのは周知の事実である。その為、次の日の下準備をしている最中に食材が足りなくなるという事態に陥りやすい。
 そんな時に、なのはが家にいる時に気分転換の意味を込めて夜遅くでも買い物に来ているのである。しかし、今までこんな時間にフェイトとスーパーで遭遇することはなかった。

「あ、それは……家の冷蔵庫カラッポで……」

 とても言いづらそうになのはに冷蔵庫の中がカラッポになっていて、今日家にいるのは自分だけで、食材を求めてスーパーに買い物に来たことを話すフェイト。
 その話しを聞いたなのはは瞬時に名案が思い浮かんだようで、ニッコリと笑みを浮かべ

「それなら、わたしの家に来てわたしと一緒に食べればいいんだよフェイトちゃん」

「……え?」

 突然の提案に思考が停止するフェイト。「ほらほら、今から行こう?」と言いながらフェイトの空いている左手を握り引っ張るなのは。

「で、でも家の人に迷惑……」

「それなら、大丈夫だよ。今、連絡するから」

 と手際よくポケットに入れていた携帯を開いてペアメニューですぐさま母、桃子に連絡を取るなのは。
 携帯電話によるが、ペアメニューでよく電話やメールをする人を登録しておけば、いちいちメール画面や電話帳を開いて探す手間が無くなるという機能がある。流石は電気系統に家族の中で唯一強いなのは。携帯の機能をフルで活用している。

「あ、お母さん?今スーパーにいるんだけど……それでねフェイトちゃん、リンディさん達仕事でいないから買い物にちょうど来てて……うん……それで、夕食私もまだ食べてないから、一緒にいいかな?
 え?うん……ありがとうお母さん!うん、うん!気をつけて帰るから大丈夫だよ。それじゃあ、また後で」

 なのはとなのはの母桃子との会話が全く聞きとれなかったフェイトは、なのはと桃子のやり取りをただ茫然と見守るしかなかった。その間、なのはの左手は離さなかったのは、ただの偶然であろう。
 そんなフェイトを余所に、携帯をポケットに入れたなのはは満面の笑みでフェイトに電話の内容を伝えるのだった。

「夕食一緒に食べるのは勿論いいけど、泊まっていっていいよって」

「……ええ!?」

 話しが飛びすぎている。どこをどうしたら「一緒に夕食を食べよう」の提案から「泊っていく」という話しになるのだろうか。混乱しているフェイトは驚きの声を上げた後オロオロとするしかなかった。

「ほら、フェイトちゃん。早く買い物済ませよ?」

「え、でも、着替えとか取りに行かなきゃ……」

 動揺しているはずなのにちゃっかり泊まり行くことを前提に話すフェイト。そこは流石執務官を目指しているだけはあると思っていいのだろう。ただ、思考の使い方を間違っているだけで……。
 一方なのははというと、着替えのことは頭から抜けていたようで「そうだよね、着替え必要だよね」と呟いていた。
 自分の服を貸してもいいかなと思ったが、一部分だけ自分と体型が違うフェイトに、自分の服を貸すわけにはいかないと判断する。その一部というのが――

「それじゃあ、一緒に取りに行こ!」

 思考がどこぞのチビたぬき(本日二度目でありながら最終出演)みたいになりそうなのを慌てて振り切るなのは。その勢いに負けたフェイトはコクコクと頷くのだった。



「雪……積るかな?」

「うーん……。このぐらいの降り方なら大丈夫だと思うよ?」

 高町家で夕食をごちそうになったフェイトは、なのはと一緒にお風呂に入った後、なのはの部屋でくつろいでいた。お風呂に入る際、なのはとフェイトの間で一悶着あったが、お互い「真っ当な話し合い」で解決したので、さほど大きな問題にはならずに終わった。

「ねえ、フェイトちゃん」

「なに、なの……は?」

 窓の外を見ていたフェイトが振り返えると、目の前に、あと少しで唇が触れそうなぐらい間近になのはの顔があり、驚いた表情を浮かべるフェイト。
 それと同時に、ゆっくり振り返ってよかったと安堵していた。勢い良く振り返っていたらお互いの額と額が正面衝突するところだった。

「フェイトちゃん、何か悩んでる?」

「え?」

 なのはの質問にドキッとするフェイト。それと同時に、どうして自分が悩んでいるということをなのははがわかったのだろうという疑問が頭の中に浮かぶ。そんなフェイトの様子を見たなのはは「やっぱり」と小さく呟いてから

「フェイトちゃん、すぐ顔に出るんだもん」

「そ、そうかな?」

 自分ではあまり表に出さないようにしていたはずなんだけどと思うフェイト。今回は相手が悪かった。相手の負の感情に敏感ななのはが相手では、どんなに表に出さないようにフェイトが努力したとしても、負の感情をどんな位置からでもキャッチしてしまう。それこそ、どこぞのシアトルにある球場のライトを守っている野球選手並みに。もしくはそれ以上かもしれない。ただし、恋愛の感情には人の二倍ほど鈍いが、それはそれだ。

「スーパーで買い物している時も、買い物してるのに何か別の事で悩んでいるみたいだったし、今外見ていた時の表情もどこか寂しそうだったんだよ?」

「よく見てたねなのは」

 心の底から感心したフェイト。まさか、スーパーで買い物している時点で悩んでいることをなのはが察知していたとは思いもしなかっただろう。いや、フェイト以外の人間でもまさかその時点で悩んでいると察知しているだなんて思いもしないだろう。
 この察知能力こそがなのはの長所である。時々、その長所を生かし過ぎて、相手と全力全開で「お話し」するのは御愛嬌ということにしておくのが本人の為だろう。

「それで……聞かせて欲しいな。フェイトちゃんの悩み」

 ダメかなと小さく首を傾げるなのは。その仕草を小学校の男子共が一目見ただけで恋に落ちるぐらいの威力だった。しかしながら、そんななのはのカワイイ仕草も今のフェイトの目には映っていなかった。
 それもそうだ。悩みを言うべきか言わないべきかで頭を使っていて、自分の事で一杯一杯になっているのだから、なのはのカワイイ仕草のことを気にしている余裕はないだろう。

「……冬になると思い出すんだ」

 勇気を振り絞り、自分の悩みを打ち明けようと口を開くフェイト。それはなのはのことを完全に信頼しているからであるが、本当なら迷惑だから話したくないという思いの方が強い。
 でも、「なのはだから」こそ話してもいいかなとも思っている自分がいた。そんな矛盾を抱えながらフェイトは続ける。

「プレシア母さんのことや、リニスとアリシアのことを……」

「あ……ごめんフェイトちゃん……」

 フェイトの話しを聞いて、自分が聞いちゃいけないことを聞いてしまったと感じ、バツが悪そうに謝るなのは。フェイトは首を左右に振って「大丈夫だよ、なのは」と言って窓越しに外の景色を見ながら

「寒くて暗い夜、一人でいるとどうしても心が……こう……なんて言えばいいのかな。……『落ち着かない』って表現が近いのかな?実は自分でもよくわかっていないんだ」

 となのはの方に向き直り笑みを見せるフェイト。その笑みがどこか寂しそうに見えて、その笑みを見たなのはは初めてフェイトに会った時の感覚を思い出してしまっていた。
 少し俯くフェイトの仕草も、あの頃に戻ってしまったかのように思えてもどかしい気持ちがなのはの中で蠢いた。

「おかしいよね、春や夏はそんな風にならないのに不思議だよね。それと……雪が降っている景色を見ていると、『今私は幸せだけど、本当に幸せになっていいのかな』って思うんだ……。母さん達が手に入れられなかった『幸せ』を私一人が手にしていいのかなって」

 フェイトの告白は続く。今が幸せだと思えるから尚更母プレシア達のことを考えてしまうとこと。これが自分の弱さだということを――

「……フェイトちゃん!」

 黙ってフェイトの話しを聞いていたなのはが、フェイトの両手を握った。突然のことに驚くフェイトだったが、なのはの今にも泣きそうな表情を見て罪悪感に襲われた。
 自分がこんな話しをしたばかりに、なのはを悲しませてしまった。ゴメンと小さく呟いたフェイトの右頬に手を添えるなのは。

「謝らないでフェイトちゃん……。それにそんなこと言わないで。フェイトちゃんは……フェイトちゃんは幸せになっていいんだから!」

 涙を零しながら必死にそう訴えるなのは。なのははフェイトの気持ちを理解していた。
 ただ、フェイトのように親や姉と呼べる存在が亡くなっていたり、生まれが特殊なわけではない。それでもフェイトの心の痛みというのが十分理解してしまったから涙を流した。いや、流してしまったと言うべきか。
 一方でフェイトは、目の前で自分の為に泣いているなのはをどうなだめようかと困っていた。

「確かにね、お母さん達のことを思うのは大切なことだと思うの。でも、それでも『自分が幸せになっちゃダメ』って考えるのは絶対ダメなの」

 涙が頬から伝い落ちるのを構わずじっとフェイトの真紅の瞳を見つめるなのは。

「ありがとう……なのは」

 と言ってなのはの頬を伝い落ちる涙をそっと拭う。その手が震えているのになのははすぐに気づいて声をかける。

「フェイトちゃん……」

「大丈夫だよ、なのは。私にはリンディ母さん、クロノたち……それにこうやって私の為に泣いてくれる友達がいる……。うん、大丈夫……大丈夫だよ」

 涙を堪えて無理矢理笑うフェイト。誰がどう見ても無理をしているように映るだろう。数年前の事件――ジュエルシード事件――の時も、辛い思いをしていても無理をしてでも母の願いを叶えようとしたフェイト。
 ああは言っているが、心のどこかではまだ悲しみを抱いているに違いない。そういう表情をしていれば、目の前にいるなのはが無理にフェイトが笑っていることに気づくのは至極当たり前のことだ。

「フェイトちゃん……無理しなくていいんだよ」

 そう優しく言いながらギュッとフェイトを抱きしめるなのは。なのはの温もりがフェイトを包み込む。

「なの……は?」

「雪が積もるように嬉しかったことや悲しかったことが、心の中に積っていくけどね……それが全部フェイトちゃんの強さになるよ。必ず……」

 まだ涙を零しながら、それでいて力強くいうなのは。その言葉に小さく頷きながら涙を零すフェイト。それは支えてくれる友がいるという安心か、それとも――


「ありがとうなのは……」

 フェイトの小さな呟きは確かになのはに届いて、なのはは目を瞑り小さく頷いた。
 そんな二人の悲しみや喜びなど大地や天候は知ることもなく、家の外では雪が本格的に降り始めていた。


『冬の寒くて暗い夜は嫌いだったけど、もう大丈夫。雪が全てを埋め尽くしても、その時は君の言葉を思い出すから――』

『にゃはは。ちょっと恥ずかしいの』

 先ほどと打って変わって笑い声がなのはの部屋に響く。ゆっくりと、それでいて確実に今年も冬の季節が海鳴市に訪れているのだった――

Fin




あとがきという名の言い訳文
 gdgd感タップリプリプリな小説を読んでいただき、ありがとうございました。(土下座)
 想像以上に三人称が下手になっているという現実に直面し、何度も書き直した結果出来上がったのがこの小説です
 書くキッカケになったのはiTunesのランダム再生で流れた「SNOW」という曲です
 もし、曲名だけでピンときた人は是非コメント欄か拍手で一言お願いします(まてこら)
 今回の話しの時期としては、A'sのリインフォース(初代)が天に召されてから四年以内と思っていただければなと思います

 『雪には言葉はありません。手紙も届けられません。ただ静かに降り積もる。まるで人の喜びや悲しみが心のなかに静かに積もっていくように――』

 と、いうイメージを持って(歌詞そのまんまですが)書いたわけなのですが……。かなりイメージとはかけ離れた小説になってしまったなと思います
 イメージ通りに書けることが大切ですが、今の私ではどうやらこれが限界のようです
 誰か私に文才をください orz
 もっともっと良い小説が書けるよう頑張りますので、今後もお付き合いしていただけたらな……と思っております
 ここまで読んで下さった皆様に感謝を――

2010年12月20日 KATSU
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