FC2ブログ

愛なき道

オリジナル小説「二人の戦女神」と「リリカルなのはシリーズ」の二次創作を中心に活動中

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

学校の後輩と閃光Ⅲ  

最近、どうも喉の調子が悪いKATSUです
車の中で歌っていたりするのですが、今まで出ていた高音部分が出ないんですよね……

あと、仕事中に声を出しているのですが、どうも掠れたりして上手く声が出せなかったりするんですよ
どうしたんだろう……

さて、今回は久々の「リリカルなのは短編」です
「学校の後輩と閃光」シリーズ第三弾です
久々過ぎて泣けてきた

あと、今考えているのはシュテルザデストラクター……通称星ちゃん(違う
を主人公にした小説を考えていたりします

しかもクロス。星ちゃんが主人公でクロス小説ってなかなか見ないんですよね
あってもいいのに……

話しが脱線しかけていますね
追記より小説です。読んで頂けたのでしたら幸いです
m(_ _)m


 夢はならあるはず。私にだって――


 ある日曜日。黒の長袖のワイシャツのような服とジーンズ姿の高宮沙希は、自宅近くにある公園のベンチに腰掛け、膝の上に置いているノートパソコンの画面を険しい表情で見ていた。パソコンの画面にはWordが起動していて、文章が何千、何万文字と入力されていた。その文章量からして普通の手紙ではない事は確かだ。
 しかも、高宮の隣に置いてある鞄の中には昼食のサンドイッチとお茶、そしてノートパソコンの予備電池が二つ入っており、今日一日ここでその文章を作成する事がうかがえる。

「……って、ことにすれば……ダメ。そうするとあの展開がこの後使えなくなる」

 ブツブツ呟きながらキーボードを叩く高宮。その姿はまるで「ぼやき」で有名な元プロ野球監督のようだ。しばらくキーを叩くのを止めて右手を顎にあてて考え込む高宮。
 普段、フェイトに抱きついて(一方的に)イチャイチャしている高宮とは思えないほど真剣そのものだった。

「ならこの表現は……ダメだね」

 何か思い浮かんでキーを叩くが、やはり何か違ったらしくバックスペースキーで今入力した文章を削除する高宮。

「ここだけテケトーにする訳には行かないし……みゅう」

 首を傾げて呻く高宮。その呻く高宮の姿は小動物を連想させ、もしここで男子がいればときめいていたかもしれないが、残念な事に今は高宮ひと――

「あれ、沙希?どうかしたの、こんなところで?」

「え?」

 不意に声をかけられた高宮が顔を上げると、そこには腰まではあるであろう金色の髪を靡かせた真紅の瞳の持ち主、フェイト・T・ハラオウンが黒色の私服姿でそこにいた。

「おおおおお、お姉さま!?」

 驚きのあまり膝に置いてあったノートパソコンを落としかける高宮だったが、それを見たフェイトは、素早く左手を出してノートパソコンの落下を阻止する。

「っと……。はい沙希。そんなに驚かなくても……って沙希?」

 驚いた状態で固まったまま、瞬きもしない高宮の様子に気付いたフェイト。声をかけるが反応が無い。どうしたものかと思いつつ、声をかけながら目の前で手を振る。そこでやっと戻ってきた高宮。

「お、お姉さま。どうしてここに?」

 休日とはいえ、この公園に好んで足を運ぶ人間は少ない。その理由だが、住宅地から離れているというのもあるが、坂道を上らないと公園に辿りつけないのが大半の理由だろう。足を運ぶ人間のほとんどがランニングをしている人間であることから、トレーニングで坂道を上り下りしているのだ。

「えーっとね……散歩なんだ」

 少し恥ずかしそうに右頬を掻くフェイト。それもそのはず。今日は仕事が休みのフェイト。家で管理局の資料まとめをしていたらアルフとエイミィに「休みの日ぐらい息抜きをしたら?」と言われた。
 しかしそう言われて、資料を没収された揚句、家から追い出されてしまった。仕方ないので、なのはに連絡しようかとも思ったが今日は本局武装隊の方で仕事が入っているので、こちら(海鳴)にはいない。はやても同じ理由で不在。

 困ったフェイトは、散歩して時間を潰そうと思い海の見えるこの公園へと足を運んだ。そこでちょうど、ベンチでパソコンとにらめっこしている高宮を発見し声をかけたわけである。

「この公園に来るなんて、物好きといいますか……お姉さまらしいですね」

 と、少し呆れ口調の高宮。この公園に来る人間が限られているなんて知らないフェイトはどういう事だろうと首を傾げる。それを見て、慌てた様子でこの公園にあまり人が来ないことを説明する高宮。
 それを聞いて、ここまで来るのに誰ともすれ違わなかったことに気付いたフェイトは納得した表情を浮かべたのだった。



「それで、沙希はなにやってたの?」

 落ち着いた沙希の隣に腰をかけてパソコンを覗くフェイト。それを見て慌ててパソコンを閉じる高宮。

「沙希?」

 「あ、あはは」と乾いた声で笑う高宮に不思議そうな表情で見るフェイト。

(い、いくらお姉さまでも、こ、これだけは見せる訳には……!)

 いやらしい事をやっているわけではないが、“それ”を見せるのは恥ずかしい高宮。高宮の隠した“それ”は他人には絶対言わないようにしていた事で、自分の“最終的な目標”であり――でもあった。

「え、えとですね……私の個人的な趣味なんで、お姉さまには見せられないんですよ」

 「個人的趣味で、人に見せられない物ってなんだろう」と首を傾げて考えるフェイト。なのはやはやての趣味なら分かるんだけどなと心の中で呟くフェイトだったが、はやての趣味を思い出して頭痛を覚えた。

「お、お姉さま?大丈夫ですか?」

 と、サッとペットボトルのお茶を差し出す高宮。本当なら自分が飲むようにと持ってきていたのだが、姉と慕うフェイトの様子がおかしいと気付き、フェイトにそのペットボトルを差し出したのだ。フェイトは「大丈夫だよ。ありがとう」とペットボトルを受け取る。
 それだけでも十分幸せな気分になる高宮。しかし、その事に気付かないフェイトは

「それで、沙希はどうしてここでその趣味をしてたの?」

 ふと疑問に思ったことを聞いたのだった。静かで人が来る事が少ないこの公園で、まだ中学生の高宮がここに来る理由が見当たらない。今回はただの気まぐれでフェイトはこの公園に来たが、高宮はどう見てもそうではない。
 お茶を用意していたり、わざわざ日陰になっているベンチに腰掛けている事から、何回もこの公園に足を運んでいるのかなとフェイトは考えていた。実際その通りであるのだが、高宮はフェイトがそこまで考えているとは思っていなかった。

「それは……」

「それは?」

 言い淀む高宮に、フェイトは笑顔を浮かべる。それはまるで慌てて言わなくていいよと、言外に高宮に伝えようとしているようにも見えたが、ただ単に話しをするのが好きだから笑顔になっているだけである。恐ろしき天然。

「あの、土日の昼間はこの公園は静かで……集中できるって言えばいいですか……?」

 と自分で言いつつも自信が無さそうな高宮。確かにこの公園はあまり人が来ないので静かで、集中しやすい環境にある。でも、わざわざ家ではなくて、ここまで来る必要があるのだろうかとフェイトは疑問に思った。
 だが、高宮には姉と慕うフェイトにすら言えない事が理由で、家から“逃げる”ようにこの公園に足を運んでいたのだ。

「そっか。確かに静かだね……ここは」

 確かにここは静かである。小鳥のさえずりが微かに聞こえ、風で木々の枝が揺れる音、その枝の先にある葉が擦れる音がする程度。これなら、物事に集中してしまえば聞こえなくなるだろう。

「あれ?でも、雨の日はどうしてるの?」

「そういう場合は、素直に図書館に行ってます」

 そうだよねと呟きながらチラリと高宮の膝の上に置いてあるパソコンを見る。パソコン全体黒一色で、中央には「DE○L」と会社の名前が白色で書かれていた。ただ、あちらこちらに傷があることから、かなり年代物のようだ。

「図書館でもそのパソコン使ってるの?」

「あ、はい。人がいない奥の場所で使わせてもらってます」

 それもそうだ。図書館でカタカタとキーボードを叩く音が響いていたら、本を読むのに集中できないだろう。そうなる事は高宮も理解しているようだった。
 公衆の目の前で「お姉さまぁ!」とフェイトに抱きついてくる高宮の事だから、もしかしたらとフェイトは思っていたが杞憂に終わって一安心するフェイト。

「それで、何を打っているの沙希?」

「しょうせっ……あ、あうううう。日記!日記ですよ!?本当ですよ?」

 と、“何か”を言いかけて慌てて取り繕う高宮。誰がどう見ても怪しい。フェイトも怪しいなと思ってはいたが、高宮が悪い事をしているとは思っていなかった。それは今まで高宮と話しをしてきた事も影響しているが、高宮のクラスメイトからは悪い話は聞いた覚えが無かったからだ。

(でも、他の人に言えないことってなんだろう?)

 と疑問に思いつつ高宮を見ると、顔を真っ赤にして俯いていた。嫌、正しくは耳まで真っ赤にしてか。

「え、えと沙希?」

「あうあう……つ、つい口が滑ってしまったのですぅ……」

 と、口調がおかしい高宮。どこぞのゲームやアニメに出て来そうな口調だが、フェイトがそれを知っている訳が無く「大丈夫?」と本気で心配して声をかけていた。そのフェイトの介護のおかげもあってか、すぐに現実に戻って来た高宮。

「ふぇ、フェイトお姉さま……」

 若干涙目の高宮。それを見たフェイトは動揺してしまった。自分が高宮を泣かせるような事をしただろうかと今あった出来事を全て思い返す。しかし、自分が高宮を泣かせるような事をした覚えは全く無いフェイト。はて?と思っていると高宮が口を開く

「お姉さま……私にはお姉さまに隠し事は出来ません!」

「さ、沙希?」

 一体何の事?と思いつつ高宮を落ち着かせようと苦心するフェイト。なかなか落ちつかない高宮の話しをまとめるとこうだった。
 実現は難しいかもしれないけど、“夢”が高宮にはある事。それを誰にも言ったことが無い事。それ以前に、聞かれても「夢なんて持たないってのも、ありっちゃありだよね?ってか、人生自体思いがけない事だよねぇ」と冗談めかして誤魔化してきた事。

「えーと……つまり?」

 高宮の話しが全くまとまらずに困惑するフェイト。ジッとパソコンを見ている高宮が小さな声で呟く。

「私の……望なんです」

「沙希?」

 フェイトの声にハッとして顔を上げる高宮。かなり驚いた表情をしていたが、すぐにいつもの笑顔に戻ると

「お姉さま。約束して頂けます?」

 「何を?」とフェイトが言う前に閉じていたパソコンを開いて、その画面を儚げに見つめながら

「“これ”が私の夢なんです。お姉さま」

 とパソコンの画面を指差す高宮。フェイトは見てもいいのかなと一瞬だけ躊躇うも、好奇心に負けて画面を見る。そこには大量の文章が書かれていた。途中からだが読んでみるフェイトは、この文章が小説であるという事に気付いた。

「小説?」

「ええ。その通りです、お姉さま。……小説家になる、それが私の夢なんです」

 小説家になる。それはとても大変な事であるというのは高宮は理解していた。毎年、様々な大賞に応募される数多くの作品。その中から選ばれるのは五作程度。そして、その中でプロの小説家としてデビューしてから、ずっと小説を書き続けていられる人は少ない。
 テレビ化や映画化なんて本当に限られた小説家だけだ。それ以前に、安定して売れる人が少ないのが現状だ。だから、中学生の自分が小説家になるなんて言っても、笑われるのがオチだと高宮はずっと思っていた。

「そっか……。いい夢だと思うな。それに、いい小説だと思うよ」

「……え?」

 フェイトの発言に驚くと共に、フェイトがサラッと小説を読んでいた事に気付いた高宮は慌てる。自分の下手な文章をフェイトに読ませるつもりはなかったからだ。だが、フェイトに読まれたのは高宮のミスであるのは明白だ。
 パソコンの画面全域に小説を表示していれば、勝手に読まれる可能性がある。そこまで考えが至らなかった高宮が全面的に悪いとまでは言わないが、決してフェイトだけの責任ではないのは確かであろう。

「お、お、お、お姉さま!?」

「わっ!どうしたの沙希?」

 と、突然大声を出した高宮に驚くフェイト。その後、高宮が「この事は誰にも教えないでくださいよ?お願いですよ?」と鬼気迫る勢いでフェイトに泣きつき、フェイトはその勢いに負けたのだが、それはそれだ。
 高宮は小説を褒められたことがよほど嬉しかったのか、その後もフェイトとの会話を楽しんでいた。


 夕方――
 

 高宮がやっとベンチから腰を上げた。既にフェイトの姿はなく、公園は静まり返っていた。フェイトが帰ったのは正午前。それから既に五時間近く経っている事に苦笑を覚える高宮。それだけ小説に集中できていたということか。

「さてと……そろそろ帰らないと……帰りたくないけど」

 心の奥底から嫌そうな表情を浮かべる高宮。いつも笑みを絶やさない高宮がこのような表情をするのは本当に珍しい事である。どれだけ家に帰りたくないのだろうか。
 ただ、家に帰らなければパソコンの電池を充電できないのもあるが、財布に入っている金額は少ないのでホテルなどに泊まることは出来ない。クラスメートの家に泊まるという選択肢は高宮には無かった。

「……」

 しばし、ベンチで微かに見える夕陽で紅く染まる海を見ていた高宮だったが、ゆっくりと立ち上がり歩きだした。今日は姉と呼ぶフェイトと二人っきりで話ができて、小説も褒められた。
 その事を思い返しながら高宮は、できれば今日ぐらいは……最後までいい日でありますように、と願いながら家へと重い足取りで帰っていった――

コメント
コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→https://lonelystars51.blog.fc2.com/tb.php/87-b9083413
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

総来訪者数

プロフィール

Are you ready to Action?

リンク

カレンダー

カテゴリ

最新コメント

最新記事

Message

検索フォーム

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。